中年の男が1人でビーチへ行くことを日本は許してくれない空気がある

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僕は海が好きだ。なのに、ここ数年海の水に浸かっていない気がする。日本の海の話しだ。僕は東京に住んでいるから、近郊の海といえば湘南だった。どこまでを湘南と呼ぶのか詳しくは分からないが、僕の場合、片瀬江ノ島、茅ヶ崎、稲村ヶ崎、鎌倉の海を指していた。それらの海には毎年行っていた気がする。なのに泳ぎは得意ではなかった。だから、海に入っても、足が届く所までしかいけない。情けない男だと自負しているつもりだ。それでも、砂浜に寝転がってお酒を楽しみ、潮の風を誰よりも感じたいのだ。

 

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だけど中年の男が1人でビーチで寝転び、お酒を楽しみながら読書をする。日本の砂浜はそれを許してくれない空気がある。特に湘南の海の年齢層は低い。これがカップルや夫婦なら許してくれるのかといえばそうでもなく、クラブと化した海の家に戸惑い、タトゥーを入れた若者が幅を利かせるから、あぁ、中年の出番は無いなと肩を落とすしかなかった。そこに加えて水着の問題もあった。男性の話しではなく、女性の話しになる。僕の知人で50代の女性がいる。その女性は海が好きだった。しかし、日本の海に最後に入ったのは20数年前と話す。それは海の綺麗さとかそういう問題ではなく、日本のビーチで中年の女性が水着になることを許してくれない空気があると話す。

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それが海外となると、中年どころか、お婆さんも水着姿でビーチを歩く。そのほとんどは欧米人だが、そんな光景を横目に水着に着替えると、あら、私の水着姿なんて普通じゃんと思わせてくれるらしいのだ。そんな心境と近いのが、男の僕も例外ではなかった。数年前に訪れたタイのサメット島では、1人で行っても許してくれる空気があった。実際にビーチで寝転び、酒を片手に読者をする西洋人を見かけたことも、そう思わせる要因だったかもしれない。

「ビーチに寝転び、ビールを飲んで、読書をして、あとは何にもしない」

そんな1日を過ごしてみたい。しかし海外へ行くには時間がない。国内でどこかないかと考えてみると、唯一許してくれる空気があると思っているのが沖縄だった。しかし季節は11月。沖縄の海水浴シーズンは終わったばかりだった。そうなるとやっぱり海外しかなく、諦めるという言葉は僕にはなかった。

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僕は決めた。向かう先はタイ・サメット島だ。やはりあの場所なら中年の男が1人でビーチへ訪れても許してくれる空気がある。航空券はLCCのエアアジアを利用した。希望する日にちの運賃が高く、成田からの直行便は諦めた。そうなると羽田の深夜便の出番となる。フライト翌日はバンコクではなく、マレーシアのクアラルンプールに到着する。羽田からバンコクに向かうエアアジアは、クアラルンプールで乗り継ぎがあるのだ。

「何もそこまでして……」

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今回の旅を聞いてもらった友人が呟いた言葉だった。そう思う気持ちは理解できるが、そこまでしてでも、サメット島の風をもう一度感じたかった。仕事を終えると一度自宅へ戻り、夜の羽田空港へ向かった。

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分かっていたが、東京からサメット島は遠かった。着いた初日はバンコクで1泊したから、前日の飛行機泊を合わせて1日半がかりで到着した。それでも疲れなんて感じなかった。またこの景色を見れた。この空気を吸えた。この波の音を聞けた。ただそれだけで良かった。そして中年の男が1人ビーチで寝転んでいても、サメット島の空気はやっぱり許してくれた。

そんなサメット島の滞在は2泊3日。あっという間に時が過ぎてしまった。ビーチはやることがなくてつまらないと言う人の気持ちが僕には分からない。鳥のさえずりで始まる朝を迎え、夕日で空が赤く染まるまで、1日の終わりはとても早く感じた。何もないビーチが暇に感じない僕はダメ人間の部類だと自覚はしている。しかし、辛うじてダメ人間街道まっしぐらとならないのが、日本で勤める仕事だった。

休みに限りがある勤め人の休暇は、日程に辛いものがある。だが、その分また行きたい気持ちが芽生え、旅の趣味を辞めない限りその繰り返しなのだ。だから終わりを決めない旅がしたければ仕事を辞めればいいだけで簡単な話しだが、このローテーションがどちらにも相乗効果があるような気がしてならない。勤め人の中年男がタイのビーチで休暇を過ごす。心身ともに安らぐのであれば、こんな最高な休日の過ごし方はない。

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