アジアときどきバンコクの友人

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バンコク滞在:2016.05.09〜10

バンコクの滞在は友人の家だった。ホテルではない、生活感のある室内。そんな雰囲気が外へ出ることを拒んだのか。仕事場へ向かった友人を見送ると、僕は朝のコーヒーと昼食をとりに出かけた2回しか外へ出なかった。ゆっくりと腰を下ろし、テーブルに持参したノートパソコンを開く。それが今回のバンコク滞在だった。

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僕の今回の旅はベトナム縦断旅だった。だからベトナム・ホーチミンで気持ちが切れていたのかもしれない。在り来りなルートだったが、北のハノイから南のホーチミンまで無事に縦断できたことで満足していた。それと同時にバンコクではもうやることはなかった。考えてみれば僕はバンコクに何回訪れたのだろう。バンコクの中心地ならトゥクトゥクだって運転できるんじゃないかと思っているくらいだ。だが、よく考えてみればタイをゆっくりと、バスや列車で巡る旅をしたことはなかった。僕は一体バンコクで何をやっていたのだろうと考えたが、それもそのはずで、僕にとってバンコクはLCCを利用する旅の中継地点であり、いま宿泊させてもらっている友人に会うためでもあったからだ。

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その友人の名前はS君、30代後半の男性だ。東京で勤める大手企業を辞めたのは7、8年前になるだろうか。元々バックパッカースタイルの旅を趣味としており、長期休暇を利用しては主にアジアを巡っていた。その訪れた国々のなかで一番気に入ったのがタイであり、バンコクだった。そんなS君が会社を辞めて、単身バンコクに乗り込み、タイ語学校に通いだした。語学学校に通ったのは、タイで就職することを見越してのことだった。その後S君は苦悩の末、無事に学校を卒業し、タイ語も習得し、親会社は日本企業のタイ企業に就職することになった。勤務地は憧れのバンコクだった。

そんなS君に当時の僕はピンと来なかった。今思えば無理もなかったと思っている。当時の僕はタイも海外も興味がなかったからだ。それでも、安定した日本での居場所を離れて海外へ向かった姿には、ただ漠然に凄いと思うのと同時に、何が凄いのかは分からなかった。

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月日は流れ、僕はタイへ訪れた。初めての海外だったが、それは海外旅行というより、友人に会いにいったという色合いの方が強かった。振り返るとそれがきっかけで、アジアの旅にどっぷりとハマったわけで、ここ数年の僕は旅しかしてないようなものだった。それに引き換えS君は順調なバンコクでの会社勤めを捨てて、新たにビジネスを始めようとしていた。その内容は個人の意向もあり割愛するが、地に足が着いた話の中身で僕を圧倒させた。そして圧倒させられたのは、その人脈をすべてバンコクで築きあげていたことだった。

勤め人より起業する方が凄いとか偉いとかいう話しではない。元来S君は人を惹きつける魅力がある人だが、日本にいる友人、または親を頼らず、バンコクのことはバンコクでという行動力と決断力、そして人脈を築きあげることに改めて唸ってしまった。

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「トミーはなんかないの?」

そう聞かれた気がした。なんかはあったが、S君の地に足が着いた話の中身と比べて、僕のそれはとても話せる内容じゃなかった。この先旅ばかりを続けてていいのか?という風にも聞こえた。僕がアジアの風の虜になったきっかけのひとつにS君の存在があるなら、この先タイに移住はなくても、ビジネスのきっかけのひとつにS君の存在があるのだろうか。僕はなんとなくS君の背中を羨ましげに追っているのかもしれない。だとすればいいのだが、着実に目標を実現していく友人と比べて、僕は旅しかしていなかった。そして僕はバンコクのなにひとつ分かっていない気がした。

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ホーチミンから移動し、バンコクの地を踏んだときだった。ドンムアン空港からモーチット駅に向かうバスの車窓から、建設中の高架鉄道を見かけた。どうやらBTSの延伸工事らしく、近い将来にはモーチット駅とドンムアン空港間はBTSで結ばれるらしい。また、バンコクの西側にあるバンパイ運河駅とタオプーン駅を結ぶバンコクメトロのパープルラインも今月(5月)から試運転を開始し、8月からは正式開業となる見込みだ。

そして同じく8月には、新憲法草案の是非などを問う国民投票が実施される。2014年のクーデター以降、軍事政権が続くタイだが、草案は来年(2017年)中の実施を予定する総選挙後も、軍の政治介入を保障する内容が盛り込まれており、実質的な軍政への信任投票といわれている。

バンコクはインフラの整備を整えながら、国もまた変化のときだった。今度タイへ訪れるときには、国民投票は終わっている。それなら総選挙より前か後か。いつになるか分からないが、変わりゆくタイと友人に会えるその日まで……。

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帰りのフライトはドンムアン空港だった。ドンムアン空港は事実上LCC専用のターミナルだ。僕は成田空港行きのタイ・エアアジアXのXJ600便に乗る。時計の針がてっぺんにくる0時近い深夜便だった。

タイ・エアアジアX XJ600便
搭乗日:2016年5月10日
経路:バンコク・ドンムアン23:45→東京・成田 5月11日08:00
運賃:4,080B(約11,800円)
航空券購入時期:不明

 タイ・エアアジアX XJ600便 過去の搭乗記はこちら!!

blog.tommy-bp.com

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窓から溢れる光で目が覚めた。ふと時計に目をやると、東京はもう近かった。そして現実の世界も近かった。現実の世界が嫌だというわけじゃない。旅もまた現実だからだ。ただ、単純に旅が楽しく、旅がしたいだけなのに、なんとなく東京での現実から遠ざけている側面もあるのかもしれないと思った。旅とは……考えるのは辞めよう。僕の旅はそんな野暮なもんじゃなかったはずだ。そう思うと再び目を閉じた。

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