東京駅と茨城空港を結ぶワンコインバスの所要時間は1時間40分というのは本当か?
2016年12月中旬、僕はスカイマークを利用して兵庫県神戸市へ向かうため、初めて茨城空港を利用した。東京に住んでいる身にとって、羽田でもなく、成田でもなく、茨城空港かと、少し気が遠くなりそうになったが、それを覆す魅力がワンコイン、いわゆる500円で茨城空港まで行けるバスの存在だった。今回はそんなワンコインバスの体験記をお届けしたい。
茨城空港までの運賃
東京駅と茨城空港を結ぶバス会社は関東鉄道だ。その関東鉄道のバスを利用すると運賃は500円。ワンコインで茨城空港まで行くことができる。これがどれほどお得なのかというと、東京近郊の空港と比べると一目瞭然だ。
東京駅から成田空港
・リムジンバス:3,100円
・成田エクスプレス:3,020円
・スカイライナー:2,630円
・THEアクセス成田:1,000円
・京成東京シャトル:900円
東京駅から羽田空港
・リムジンバス:930円
・モノレール:650円
・京浜急行:580円
東京駅から茨城空港
・関東鉄道バス:500円 (飛行機利用者の場合)
以上のように、東京駅と茨城空港を結ぶ「足」としては、茨城空港が一番安いのである。そして例え飛行機を利用しなくても1,200円で利用できる関東バスは、東京へ遊びに行く、またはその逆で、茨城空港近辺に遊びに行くには、一番交通費がかからない方法だということが分かる。
東京駅から茨城空港まで
さて、ここからは実際に利用した体験記となる。茨城空港行きのバスは、東京駅八重洲口にあるバスターミナルからで、乗車口は「3番」になる。僕は予め関東鉄道のWEBサイトで予約をしてからバスターミナルへ向かった。
乗車時間
利用した時間は早朝6時50分発の便。茨城空港を発つフライトは10時20分の神戸行きで、東京駅からの所要時間は1時間40分と言われているから、8時30分には着く計算になる。国内線で2時間前の到着はいささか速すぎるのは分かるが、渋滞で有名な高速道路の常磐道を走るため、念には念を入れて早めの出発を心がけた。
◇東京駅と茨城空港の位置関係
バスの車内
座席の配列は2−2。落ち着いたなブルーのシートに、木目調のデザインをした綺麗な床が出迎えてくれた。そのシートに腰を下ろし周りを見渡すと、乗客は僕を含めて10名前後のようだ。そして乗車時にひとつ疑問に思っていたことがあった。それはどうやって航空券の有無を確認するのかだった。僕はスカイマークのWEBサイトで購入したから、航空券は飛行場で発券するしかないのだ。そんな不安を抱いたままバスの乗車口をまたぐと、運転手からやっぱり航空券の確認をされた。しかし、飛行場で発券の旨を伝えるとあっさり500円での乗車を認めてくれた。この辺りは運転手も慣れていることなのだろう。
そして嬉しかったのは、座席にコンセントが付いていたことだ。前夜スマートフォンの充電を忘れた身にとって、茨城空港に到着するまで十分すぎるほど充電ができた。
◇東京駅6時50分。定刻通りに出発進行!
◇進行方向の右側のシートに座れば、浅草にあるあのビルが見えます
◇そしてスカイツリーも。ちょっとした東京観光です
渋滞発生
東京駅を出てから20分も経たないくらいだった。バスはいきなりノロノロとスピードを緩めた。どうやら懸念していた渋滞が発生したようだった。しかもただの渋滞ではなく、事故渋滞のようである。これは不味い、乗り遅れるかも……。一瞬最悪のことが脳裏をよぎる。そこへ追い打ちをかけるように非情なアナウンスが車内に流れる。
「到着が遅れ、飛行機に乗れない可能性もあります」
頬に一筋の汗を覚えたのは、暖房が効きすぎた車内のせいか。それとも……いや、余計なことは考えないように努めよう。
事故現場は三郷料金所のすぐ手前だった。乗用車同士の追突事故のようだ。時計の針を見ると、8時12分を指している。フライトまでは約2時間だが、チェックインの締め切りは搭乗の20分前。つまりあと1時間40分ほどしかない。手にしたスマホのグーグルマップを開くと、茨城空港まではまだまだ距離がある。
常磐道から一般道へ
バスは三郷料金所を過ぎると、順調に茨城空港へ向けて走った。それは常磐道を降りても同じだった。車窓から見える茨城ののどかな景色を横目にただ走り続ける。
茨城空港に到着
東京駅を6時50分に出発をしたバスは約2時間30分後、途中事故渋滞に巻き込まれながらも9時22分、茨城空港に無事到着した。それはフライトの約1時間前、チェックインの約40分前という結果となった。
茨城空港から東京駅へ
往路同様に、復路も予め関東鉄道のWEBサイトで予約をしてから、東京駅行きを利用した。出発時間は20時40分。東京駅行きの最終便だった。
◇茨城空港バス&タクシー乗り場 (画像:茨城空港WEBサイトより)
バスの車内
バスの車内は往路とは違い、少し年期の入ったシート。それはシートの模様と、使用はできないが、背もたれに取り付けられた灰皿で分かる。そして周囲を見渡すと、乗客は僕を含めて6人。僕が利用した神戸からのフライトと、福岡からのフライトの乗客と思われる。
バスは定刻通り、20時40分に出発をすると、暗い茨城の一般道を走り出した。往路の時はそれなりの交通量があるなと感じた一般道も、この時間に走る車は関東鉄道のバスだけと言っても過言ではない。旅の疲れを癒やすため、ゆっくりとシートのリクライニングを倒して眠りについた。
眠りについてから何時間経ったのだろうか。車内に流れる東京駅に到着するアナウンスで目が覚めた。時計をはめた腕を顔に近づけると時計の針は22時11分を指している。えっ、どういうことだ?一瞬自分の目を疑った。茨城空港を出たのは20時40分だから、1時間30分で着いたことになり、通常想定されている所要時間とほぼ同じだった。どうやら渋滞がなければ、東京駅と茨城空港間は1時間40分、いや、それよりも速い1時間30分で行けることが分かった。
まとめ
今回初めて利用した東京駅と茨城空港を結ぶ関東鉄道のワンコインバスだったが、車内は混み合うことがなく、後方の座席を気にすることなくリクライニングを倒し、ゆっくりと移動ができた。そして所要時間は渋滞がなければ1時間30分で移動ができることが分かった。これが成田空港なら1時間で、運賃は最安でも900円だから、比較をすれば茨城空港も引けをとらない。
また茨城空港を結ぶ国内路線は、今回僕が利用した神戸をはじめ、札幌、福岡、那覇、そして国際線は上海の街と結んでいる。また、神戸線は12月22日より1日2便から3便へと増便が決定している。もっと認知度が増せば、バスの利用率も上昇するのではないだろうか。それは成田、羽田からの航空券の運賃と比べても、茨城空港からの方が安い点もある。僕は今後いずれかの路線の搭乗を考えた時、当然茨城空港からのフライトを検討することになるだろう。
東京駅→茨城空港
出発時刻:6時50分
到着時刻:9時22分
(土曜日の朝利用で、常磐道にて渋滞有り)茨城空港→東京駅
出発時刻:20時40分
到着時刻:22時11分
(日曜日の夜利用で渋滞なし)運賃
片道:500円
(予約はWEBサイトで出来るが、支払いは乗車時)その他
渋滞を予測して、早めの時間帯を予約することをお勧めする
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