ぐるっと一周!ヤンゴン環状線で3時間のゆるり列車旅
一周ぐるりと周る列車の環状線。東京なら山手線、大阪なら大阪環状線を思い出す人も少なくないはずだ。それがミャンマーのヤンゴンにも存在することは、インターネットからの情報で知っていた。そんな「ヤンゴン環状線」の列車旅は、今回のヤンゴン滞在での楽しみのひとつだった。
旅のはじまりはヤンゴン中央駅から
◇ミャンマー最大の鉄道駅のヤンゴン中央駅
列車旅の出発地点、ヤンゴン中央駅にやってきた。ミャンマーの伝統建築様式だろうか。白い駅舎は遠くから見てもよく分かる。
環状線へ乗るには駅舎の正面ではなく、パンソダンストリート側から直接ホームに降りる。僕はコレを分からず、駅舎の正面をウロウロしてしまった。
環状線の6,7番ホームに降りると、窓口でチケットの購入に走る。環状線に乗る外国人は珍しくないようで、駅員はすぐに指で1周の文字を描いて僕と目をあわせてきた。チケットの購入は容易だった。そして料金は200K。日本円で約16円だから安いの一言である。
◇これがミャンマー鉄道のチケットです
◇ヤンゴン環状線の総距離は45.9Kmで1周3時間かかる。ゆっくり走るんだろうなと想像できる
列車の出発までホームをウロウロしていると、流暢な日本語で話しかけてくるミャンマー人がいた。
「日本人ですか?」
彼の名前はラーメンタイ君。日本語を勉強している若者だった。
「日本のラーメンと同じ発音なんです」
自分の名前の発音の例えもバッチリなラーメンタイ君に、環状線の右回りと左回りの説明を簡単に受けると、ホームに到着した列車に急いで飛び乗り、別れを告げた。
◇10時45分発の左回りに乗車。ここから16円で3時間の列車旅です
ヤンゴン環状線の車内と景色
環状線はゆるりとヤンゴン中央駅を出発した。時速は体感で30kmほど。日本の原付バイク並の速度で、ガッタンゴットンと走っていく。車内にエアコンはなく、天井に取り付けられた扇風機のみ。それでも窓から入ってくる風が心地よく不快な暑さは全くない。
◇家族旅行だろうか?人々もゆるりと見えます
◇踏切を待つ車は大渋滞
◇ホームで列車を待つ人はのんびりと……
列車は各駅に停車する。特急や急行などは存在しない。そして駅の停車時間は体感で10秒ほどだ。着いたらすぐに出発するものだから、ホームに完全に停車する前に人々は乗り降りをする。
◇急いで乗降しないと発車しちゃうよ〜
車窓から見える景色はヤンゴンのローカル地区そのもの。ゆるりとした景色が永遠に続く。あの喧騒とした都市ヤンゴンの姿はどこへ行ってしまったのか?思わずそんな気分になってしまう。
◇民家のすぐ側を走ります。ローカル地区の佇まいを見るなら環状線でしょ?
◇大きな荷物が車内を塞ぎます。迷惑という言葉はありません
ホームに広がる市場
ヤンゴン中央駅を出発して1時間半近く走っただろうか。列車がとある駅に進入すると、ホームに多くのパラソルが見えた。どうやらホームで市場が開かれているようだ。駅の名前を見てみると、ダニンゴン駅という駅名だった。少し散策しようかと迷っていると、列車はすぐに発車してしまった。バナナでも食べようと思ったのに……。
列車と市場。これがタイだとメークロン市場が有名だろう。列車すれすれに広がる市場の傘は、そのスリルから多くの観光客を呼んでいるらしいが、ここダニンゴンの市場はスリルな点はひとつもなく、ゆるりとした光景が広がっている。
◇買い出しを終えた乗客が車内に乗り込んできます
2時間は走っただろうか。車窓から見える景色に飽きてくる時間がある。そういう時は車内販売を見て過ごすのが丁度いい。新鮮そうなフルーツ、水、うずらの卵など、次から次へと売り子が乗車してくる。
突然のスコール
環状線の旅もそろそろ終盤を迎えたころ、叩きつけるような雨が降ってきた。季節は9月の終わり。ミャンマーでは雨季の終わりを告げるころだった。
◇列車に窓はありません。ステンレス製のシャッターを上部から下ろします
◇雨だにぃ〜
雨が降り、ステンレス製のシャッターが景色を遮る。するとウトウトと睡魔に襲われ、いつの間にかヤンゴン中央駅に着いてしまった。時間はちょうど3時間。ヤンゴン環状線1周の旅は終了である。
最後に筆者から
車窓からヤンゴンのローカル地区が垣間見える環状線。楽しかったが、途中から飽きてきたのも事実だ。そんな時は、車内販売の売り子を観察したり、スマホを見たり、昼寝をして過ごしたりした。本来ならば見知らぬ駅で途中下車をし、街の散策をしてこその列車旅だと思うが、次の予定を実行したかったから諦めた。終わりを決めない自由な旅に憧れたのが、ヤンゴン環状線の1周旅だった。
ヤンゴン環状線
乗降駅:ヤンゴン中央駅
1周の所要時間:3時間
運賃:200K
1日の本数は15本ほど。始発は6時台から終電は17時台。1時間に1本から2本の運行
ヤンゴン環状線の車窓からの風景を動画で公開しました
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