LCCで変わる沖縄!外国人と内地の観光客のあいだに生きる沖縄県民

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沖縄滞在:2015.11.27〜30
少し肌寒い朝の国際通りを歩いた。ここを歩くのは3年ぶりのことだが、たかが3年でこんなにも様変わりしているとは思わなかった。お土産の購入に走る修学旅行の学生の姿は相変わらずだが、そこに多くの中国人観光客の姿が加わった。一見見分けがつかないが、大きな声とその母国語で分かる。そして一時に比べると中国人のファッションも多少お洒落になってきたような気がする。そんな彼らが向かう場所は免税店だ。国際通りの中心部にあったファッションビル「オーパ」はディスカウントショップのドンキホーテに様変わりしていた。彼らは牧志にバスで乗り付け、爆買いに走る。

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国際通りの様子

 

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国際通りにあった沖縄三越は2014年9月、その歴史に幕を閉じた。2008年のリーマンショック以降業績が悪化。そこへ低価格指向など市場の環境が変化した結果だった。ここのデパ地下は東京とひと味違い、足を運んだ旅人も少なくないだろう。

現在は「ハピナハ」として2015年3月より生まれ変わった。吉本興業がテナントとして入り、「よしもと沖縄花月」「沖縄おもろおばけ屋敷」を展開していた。観光客にはあまり関係のない施設に思えるが、若手芸人のおっかけもいるそうで、熱心なファンは海を渡り沖縄まで出向くらしい。

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大手ドラッグストアも中国人向けの免税店に様変わり。商品案内に中国語が並び、中国語が話せるスタッフを配置していた。ちなみに閉店時間はなんと夜中の24時。東京でもなかなか見かけない閉店時間だ。その他、家電ショップも中国人には大人気で、国際通りは多くの中国人観光客に加え、中国語を話す店員で溢れている。日本というよりは、まるで中国。

 

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国際通りから市場本通りに入れば、昔の光景が蘇る。お土産の購入に走る修学旅行生は、紅いもタルトの紙袋を片手に千円の時計に目を奪われる。さすがに「ニセモノトケイアルヨ」とは声がかからない。ここは日本だ。

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僕は昔からお土産屋にまったく興味がないが、Tシャツ屋やかばん屋の陳列に目を向けるとまるで香港・女人街の路上マーケットに見えてきて面白い。

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公設市場

 

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公設市場へ足を運んでみた。ここも昔から変わらない光景があった。しかし、変わったところはやはり多くの中国人観光客だった。それに加え中国語を話す店員。どうやら沖縄では中国語の話せる人の雇用を生んでいる様子。

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沖縄といえば市場に並ぶ「豚の顔」を想像する人も多いだろう。僕もその昔初めて沖縄に来たときは面白くよく写真を撮ったものだった。タイでは肉の部位が丁寧に仕分けられている印象だが、こうして見ると沖縄も丁寧に仕分けられており再発見。やはり旅はしてみるものだ。

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沖縄に行ったことがない人に「沖縄の刺し身」の話しをすると、どうもキンキラの魚を想像するらしく「見た目がねぇ…」「美味しくないでしょ?」と言われる。キンキラの魚を想像するのは間違いではないが、マグロが美味しいのはあまり知られていない。これがそこら辺の商店で安く購入できる。マグロの種類はトンボマグロといい、ビンチョウマグロの別称でもちろん沖縄産だ。

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◇太平通りの商店街に並ぶトンボマグロ。300円と破格の値段

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公設市場で購入した鮮魚は2階で調理もしてくれる。調理手数料として1人3品までで500円。もちろん普通に食事もできる。食事中の人に目を向けると、ここもやはり多くの中国人観光客。というか日本人は店員だけで、目を閉じればまるで中国。一方、多くの修学旅行生は料金の高さと興味のなさから、昔から市場には足を運ばない。子どもたちにとって沖縄の魚は、市場ではなく美ら海水族館だ。

これからの沖縄

 

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沖縄はどうしたって観光で生きていかなくてはならない側面がある。その沖縄が中国人観光客へシフトしたことは自然の流れだった。そこに昨今の円安で国内観光客は増加し、2014年には国内外あわせて700万人以上の人が沖縄へ訪れている。外国人は中国だけではない。LCCのピーチがソウルー那覇路線の就航をスタート。多くの韓国人旅行者も見かけた。また、台北や高雄からの新規就航により、多くの台湾人も沖縄へ訪れている。台湾にとって、一番身近な海外。それが沖縄だ。

また本土の人間にとって一番身近に海外っぽさが味わえる場所が沖縄なのだ。沖縄ブームがとっくに去り日本人の旅行者は減り続けているのかと思ったが、円安に加えて景気回復基調が継続。そこに格安で行けるLCCの存在があり、2014年には過去最高の618万人の国内旅行者が沖縄へ訪れている。この数字には正直驚いた。これもやはりLCCの存在がかなり影響しているようで、東京からはジェットスター、バニラエアの各社。関西や福岡からはピーチが存在感を示している。

今後沖縄へ訪れる観光客の増加は続くであろう。僕は沖縄が今後アジアのハブ空港的な存在となり、日本の玄関口として、存在感を増して欲しいという願望がある。また、カジノを作るならお台場ではなく沖縄だと思っている。カジノだけで成り立っているマカオは危うい側面を持つが、リゾート観光という強みがある沖縄なら雇用も含めていい気がする。

多くの外国人観光客と日本人観光客。そのあいだに生きる沖縄県民の目には一体どう映っているのだろうか。僕は十分に沖縄を楽しませてもらっているが、県民の望む沖縄になってもらうことが一番嬉しいことである。

 

まっぷる 沖縄'19 (マップルマガジン 沖縄 1)

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