GWは日本だけじゃない?ぼったくりとホリデー価格が曖昧なベトナム旅
2016.05.01(フエ滞在:5月01日〜03日)
ハノイからスリーピングバスと呼ばれる寝台車に乗ること13時間、ベトナム中部のフエに来た。フエは19世紀から20世紀にかけてベトナムに存在していた阮朝(ぐえんちょう)の首都に定められていた街だ。
そんなフエの旧市街にはフエ王宮が存在しており、王宮を含めた一部の歴史的建造物は世界遺産に登録されている。その背景からか、僕の抱いていたフエのイメージは古都。情緒ある静かな古い街並みを勝手に想像していた。
しかし街に一歩降り立つと、その想像とは違う景色に一瞬戸惑った。さすがに首都ハノイまでの喧騒は無いものの、多くのレストランや商店が立ち並び人の数も多い。古都と言うよりは普通の地方都市と感じる。
フエ伝説のホテル
◇この景色に懐かしむ日本人も少なくないはずです
フエでの宿泊先は飛び込みだった。目指したのはフエ伝説と言ってもいい、日本人が多く集まる宿「ビンジュオンホテル」(サニーAホテル)だ。フエを旅する日本人の多くはビンジュオンホテルを目指す話しは昔から知っていた。実際に滞在してみると、想像より多くの日本人を見かけ、あぁ日本はゴールデンウィークだからと頷いた。
ベトナムのゴールデンウィークとホリデー価格
しかし、ゴールデンウィークは日本だけではなかった。今いるベトナムも日本同様にゴールデンウィークの真っ只中だった。ベトナムでは4月30日の南部解放記念日を皮切りに、5月1日のメーデー、さらに2日間の振替休日と4連休が存在していた。
その事実を知ったのはハノイで宿泊したホテルのフロントだった。ホテルはツーリストの代理店を兼ねており、東南アジアではお馴染みの光景だ。フロントの人は僕がフエ行きのバスを予約していないことを知ると、すぐさまどこかのバス会社に電話をしてくれた。返事はイエス。あなたはラッキーだと言われたことを一瞬疑った。
「ボラれるのか……」
しかし、ラッキーという言葉は強ちオーバーな表現ではなかった。当初僕はベトナム老舗ツーリスト、「シンツーリスト」のバスで移動を考えていた。有効期限内なら数カ所乗り降り自由なオープンチケットの料金は35ドルから。とても魅力に感じた。しかしそのオープンチケットは売り切れで、ホテル併設のツーリストで購入したという訳だった。
ビンジュオンホテルで出会った、やはりハノイからフエへバスで移動してきた日本人男性に話しを聞いた。彼はクイーンという会社のオープンチケットを80ドルで購入していた。乗り降りはシンツーリストと同様数カ所認められるチケットだが、どうやらホリデー価格が加算されたようだ。
その一方で、僕が購入したハノイからフエの片道バスチケットは30ドル。決して安くは無かった。それでも帰国日が決まった旅ではどうしようもなかった。こういうのはテンポ良く行かなければならない。なにせ、ベトナム出国は南のホーチミンなのだ。
鉄道も考えた。ベトナムには南北を結ぶ国営鉄道が走っており、フエにも停車することは分かっていた。しかし、バスの交通網が発達しているこの状況で鉄道は怪しかった。ベトナムの鉄道の本数は少ない。日本とは勝手が違うのだ。
関連記事:ハノイからフエへ!ベトナムのスリーピングバス「クイーンカフェ」乗車記
◇寝ながら移動ができるスリーピングバス。天井から下品なネオンがシートを照らします
ともかく無事にフエ入りしたわけだったが、そこで待ち受けていたのは、やはりゴールデンウィークとホリデー価格だった。希望したシングルルームは満室で、翌朝空くシングルルームは1泊20ドル。普段より8ドルほど高かった。
それでも今日唯一空いている3ベッドの部屋を、1人1泊25ドルで使用してもいい話しを貰えた。普段なら断る話しだが、幸いフエで合流する日本人の友人とシェアできたので1泊12.5ドルで済んだ。胸をホッとなでおろした瞬間だった。
◇2段ベッドにシングルベッドがひとつ。元々ドミトリー部屋ではないかと頭を悩ます
旅に出てから知ることもある
誰に聞いたか忘れたが、海外を旅するとき、他国の大型連休を気にしなさいと耳にしたことがあった。例えば中国をはじめとする2月の春節の時期や、タイやラオスなどの新年、ソーンクラーンの4月がそれにあたる。
これらの事は十分頭に入れていたつもりだったが、ベトナムのゴールデンウィークは全く知らなかった。そのゴールデンウィークを利用して多くのベトナム人は国内旅行や帰省に勤しむ。そこに海外からの旅行者が詰めかけ、ホテルやバス、鉄道の予約は困難なうえ、ホリデー価格という割増料金が待っていた。
このホリデー価格はなにもベトナムだけでなく日本にもある。日祝料金や、週末料金、または夏季、冬季料金と言った方がピンとくるかもしれない。それなら例えベトナムだって訳ないでしょと言われるかもしれないが、料金が明朗でないところが一筋縄にいかないのだ。
当然バス会社によって料金の違いがあるのは理解できるが、ホテルのツーリストを通すとその料金はバラバラ。さらにホリデーの料金表は無いから言い値に従うしかない。ホテルも同様だ。インターネットのホテル予約サイトならその料金も明朗だが、飛び込みとなるとそうはいかない。どこも満室なら他を探せばいいだけだが、この部屋しかないけど1人幾らでいいよと言われれば、一度見せた背中は振り返ることになる。
移動費と宿泊費は予算オーバー確実だ。これは痛い。旅に出てから知ることもある。まさに言葉通りとなった。しかしそこを補ってくれたのが、フエの物価と食事のクオリティの高さだったことを、その夜から知ることとなった。
▼フエの宿泊は日本人に人気の「サニーAホテル」
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