ブンボーフエから王宮観光まで!肩の荷を下ろしたフエの旅とは?

2016.05.03(フエ滞在:5月01日〜03日)

山と川を見て1日が終わる。過去に訪れたラオス・バンビエンでの感想だ。そんな退屈そうな1日が逆に居心地良かった。それは僕が東京に住んでいるせいかもしれない。地方に出向き、山や田園風景、または人の少なさを見てホッとする瞬間を、海外の田舎でも感じていた。その似たような感覚をここ数日フエでも味わった。フエは首都のハノイに比べると交通量も少なく道も広い。そして人の数も圧倒的に少なく、道路が歩きやすいという当たり前のようなことが嬉しかった。道路が歩きやすければ暑さで疲れた身体にも自然とムチが入り足取りも軽くなる。

 

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フォーン川

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◇ハノイの喧騒をあとにした身にとって、フエのフォーン川には癒やされます

 

僕はバイクタクシーやシクロなどは使わず、歩いてフォーン川へ向かった。フォーン川はフエ王宮がある旧市街と、ホテルやレストランなどが密集している新市街の間に流れている川だ。暑さのせいか昼間の人出は少ないが、夕方から夜にかけては地元民の憩いの場となって賑わう。そんなフォーン川にかかる橋の上から西の方角に目をやると、川に沈む夕日を見ることができた。僕は夕日を見ることができれば、その日は良しとするみたいなところがある。

 

美味しいフエの食事


日が沈み、フエの街に明かりが灯るころ開店する飲食店が新市街の一角にある。そこはフエ名物の麺料理「ブンボーフエ」の店だ。ブンボーフエとは米粉の麺とレモングラスが効いたスープに、牛肉や魚肉団子などが入っており、多くの庶民に愛されている料理と耳にしたことがあった。僕はそのブンボーフエをどうしても口にしたく、宿泊したビンジュオンホテルにあった街歩きマップを頼りに訪れた。

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注文したブンボーフエがテーブルに運ばれると、想像したより多くの具材に驚かされた。牛肉や魚肉団子は想像通りだったが、軟骨やタイではルアーと呼ばれる血の塊も入っている。スープはレモングラスが効いており風味が良く、ピリッとした辛味が舌を刺激する。おそらく赤唐辛子が効いていると思うが、卓上に置かれた赤唐辛子のタレをさらに追加することで刺激は倍増される。暑さで奪われた体力の回復にはうってつけの麺料理かもしれない。

僕は東南アジアで麺料理といえばタイは別格と思っているが、今回食したブンボーフエは過去のそれらを抜いて一番美味い麺料理と感じた時間だった。そこには味はもちろんのこと、やはり価格のこともあった。僕が食したブンボーフエの店は一杯40,000ドン。日本円で約195円。それならタイと変わらないじゃないかとつっこまれそうだが、一杯食べ終える頃にはもう一杯何か食べようかなとなるタイの量に比べて、ベトナムの一杯分は量が断然に違った。

関連記事フエ名物料理「ブンボーフエ」は絶品の麺料理だった!!

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◇豆腐が乗ったぶっかけ飯は18,000ドン(約88円)で量も多い。ちなみに屋台ではなく、ちゃんとしたレストランなんです

滞在中にはその他のフエ名物料理も口にした。米粉とタピオカの生地を小皿ごとに蒸した「バインベオ」や、生地は同じものの、海老のすり身がのった「バインナム」などは昼食として口にしたが、酒のアテにもあうだろうなと感じた。

それなら酒のアテとして夜に足を運べばいいかとなると、フエの安価で味のクオリティーの高さ、そして量の多い食事がそうさしてくれなかった。だから飯は飯、飲みは飲みと店をハシゴすることになる。

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気に入った商店酒場

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連日利用した酒場は、街角にある日用品などを取り扱っている商店だった。昼間は普通の商店だが、夜になるとベトナム特有の小さな椅子が歩道に並ぶ。そこに身を寄せ合うように座っては、瓶や缶のビールを口にする。

味は既成のビールだからどこで飲んでも変わらない。しかし地元民しかいないローカル感は自身の気分を高揚させ、ビールの味はモンドセレクション級となるから不思議でならない。オーバーな表現と言われるかもしれないが、どこか肩肘の張る綺麗なバーより、場末な酒場の雰囲気の方が身の丈にあっているのかもしれない。

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◇フエの夜風に打たれながら飲むビール。商店前の歩道で飲めば、肩の荷を下ろすベトナム旅が楽しめます

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フエ王宮


飲み過ぎた翌日でも初見の街なら観光に勤しむのが僕のスタイル。宿泊している新市街からフォーン川を渡った旧市街にある世界遺産のフエ王宮にも足を運んだ。中華文明を色濃く受け継いだと思わせる王宮では、皇帝の墓が探せだせず炎天下の下歩き疲れた思い出が残った。その墓を飾るベトナム伝統のモザイク装飾に、「TOKYO」と入った古いビール瓶を見れなかったのが心残りとなった。

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◇フエには王朝時代を知る105歳の宮廷楽師が、今も元気に孫やひ孫に楽器の演奏を教えているそうです

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旅はフエからホイアンへ


2泊3日のフエ滞在を終えると場所は少し南下しホイアンへ。もう少しフエの滞在を長くすれば良かったと後悔するが、旅は少し後ろ髪を引かれながら移動した方がいい。ビンジュオンホテルで予約したバスに乗ると、車窓から見えた山と海、そして緑の色濃い田園風景に小学校低学年の頃の思い出が蘇る。

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あれは東京から母親の田舎がある山形県まで特急電車に乗った1人旅だった。1人旅といってもそこは小学生。着いた田舎の駅にはおばあちゃんが待っていてくれた。季節は夏休みだったから、車窓から見えた景色は今と同じく緑の田園風景だ。そして電車は日本海沿いを走るから、山と海が見える光景も全く同じだった。

あの時母親が1人旅をさせた真意は分からないが、「この子なら大丈夫だと思った」と聞いたのは最近のことだった。あんな事させるから今じゃアジアを1人で旅するようになったのだろうか。そう考えると苦笑いするしかなかった。

記憶をさらに蘇らせてみる。確かあの時通路を挟んだシートに座る4人家族から、車内販売のアイスをごちそうになった。おそらく独り身の子どもの前では食べづらいのもあって、気遣ってくれたのだろう。キンキンに冷えたアイスをまるでその家族の一員かのように一緒に口にした記憶が残っている。あの家族は今どうしているんだろうか。駅で待っていてくれた僕のおばあちゃんは、もうこの世にはいない。

あれから何十年。日本とベトナム、電車とバス、子どもと中年、時代も何もかも違えども、1人旅には変わらなかった。通路を挟んだシートを見てみると、欧米人の男が首を傾け眠りについている。当然アイスはごちそうになっていない。バスが長いトンネルに入ると、僕もそっと目を閉じ眠りについた。


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