終わりのない夏休み!カオサン村で肩の荷を下ろす休息
バンコク滞在:2015.12.28〜2016.01.02
久しぶりに感じたカオサンの風。そんなカオサンの空気に僕はじっくりと腰を下ろした旅をしていなかった。それなのに今やカオサンに行く意味はないなどと、旅慣れた自分を少し生意気のように感じていた。
それならば……。
今年の年越しはじっくりカオサンに腰を下ろして旅をしてみよう。タイの旅でもなく、バンコクの旅でもなく、カオサンの旅。これが今回のテーマだった。
目指すカオサン、避けるカオサン
バンコクへ訪れる旅人の多くがカオサン通りを目指す。例えばシェムリアップからツアーバスに乗り、バンコクを目指すと嫌でもバスはカオサン通りに到着する。それは今も昔も旅の拠点となっている。それがカオサン通りだった。そんなカオサン通りに初めて訪れると、自国ではお目にかかれなかった光景に心がときめくはずだ。道にせり出した看板。通りを挟むバーのオープンスペースの開放感。その通りをサソリやタガメなどの昆虫を売る人にギョッとして、コンビニで買った瓶ビールを片手に警察署の前で屯する。夜になれば店舗から響く重低音の効いた音楽に、通りはまるでダンスフロアと化す。そんなカオサン通りでの体験が旅の虜になる人も少なくない。
その一方でカオサン通りを避ける旅人もいる。理由は上記で挙げたようなことに嫌悪感を抱くものだった。その傾向は昔のカオサン通りを知る中年パッカーの方が強い。バックパッカーの聖地と呼ばれるカオサン通りだが、その昔、通りは静かで今より広々としていたそうだ。物価も安く、旅の必需品はなんでも揃う便利な場所というのが世界を旅する人の共通点。そのカオサン通りの物価は近年で上昇し、通りはまるでダンスフロアと化して、騒がしく下品極まりない。安宿も安ければそれ相応といったネガティブな材料ばかりだった。
カオサン通りに行く意味はあるのか?
今回のバンコク滞在は、それを確かめるための旅になるだろう。そう思って日本を旅立った。台北を経由してバンコクに入ると、カオサン通りには5日間滞在した。バスやフェリーを使い都心の繁華街へ出かけたこともあったが、夜になって帰る場所は決まってカオサン通りだった。そんなカオサン通りに帰った瞬間の光景を見ると、僕の心をホッとさせてくれたのだった。それは、まるで故郷に帰ったような気持ちになり、この街はカオサン通りというよりも、「カオサン村」といった方が似合うなと思った。
これがスクンビットなどの都心を旅の拠点にするならば、やはりカオサン通りに宿泊する意味は無いと思っている。しかし、バンコクでどこにも行かない根を張った旅を決めるなら、カオサン村の滞在が居心地よかった。カオサン村に滞在していれば、スーパーや市場も存在しており旅の必需品に限らず生活必需品も揃う。少々物価の高いところはあるが、着飾ることのない普段着のままで1日中過ごせる村なのだ。
プール付ホテルに宿泊
そして、旅の気分をほんの少し高めるのがプールの存在だ。カオサン通りには当然だが海はない。だから宿泊はプール付きのホテルが心地よい。周りの安宿と比べると値は張るが、短い滞在なら財布の紐を緩めることができる。朝起きて、いや、飲み過ぎた翌日は昼に近いだろう。ゆっくり起きるとシャワーを浴び、宿のビッフェを食べ、プールサイドで本を読み、オープンスペースのバーでビールを飲む。そんな西洋人がやるような旅は旅というより休息。そう、休息で良かったのだ。
カオサンの日本人
そんなカオサン通りにどっぷりと休息をする日本人男性にも出会った。ラフティングのインストラクターをする彼は、オフシーズンの冬になるとカオサン通りの日本人宿に滞在し、夜になるとパッタイ屋台に立つ生活を送る。 そんな彼を僕は「外こもりの新しい形」と表現したが、きっとその彼も「カオサン村」で肩の荷を下ろす滞在をしているのだろう。
また、名古屋から航空券を握りしめ、ノープランでバンコクへ訪れた日本人女性とも出会った。そんな彼女の旅のきっかけは「タビイク」という旅の企画団体だった。バンコクで初めて訪れた街はきっとカオサン通りだったのだろう。宿泊する街は山程あるが、初めて訪れた場所であろうカオサン通りに彼女は回帰した。
◇カオサン通りの屋台に座れば、道行く日本人を発見できます
まとめ
カオサン通りは一時に比べ日本人は少なくなったと言われている。だが、バンコクの他の街と比べるとまだまだ日本人を多く見かけることができる。そんなカオサン通りには「人間嫌いの人恋し」みたいな人をどこか温かく受け入れてくれるような街でもある。つるんで行動はしたくないが、日本人の体温を感じられる距離感や、旅人に目の肥えたタイ人が「人恋し」の部分を埋めてくれるのであった。
合理性や利便性だけを求めれば、カオサン通りに行く意味はないかもしれない。いや、行く意味を問わなくてもいいのがカオサン通りなのかもしれない。気の張った日本での生活を一時忘れ、1人バックパックを背負いバンコクへ渡航する。どんな季節であろうとカオサン通りのカオサン村は終わりのない夏休み。その風を体に感じ、肩の荷を下ろす休息。そんな旅があったっていい。
*今回の記事をもって「ちょっと台北からバンコクで沈没'15〜'16」は終了です。読んでいただきありがとうございました。
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