微妙な味の料理と少ないトイレの数に翻弄される香港の旅
先月の中旬、香港にいた。羽田からLCCの香港エクスプレスに乗った。久しぶりの深夜便だった。
香港人には申し訳ないが、何を食べても微妙な感想になる。それが逆に次の店、次の店へと食欲を増していくような気がした。
「香港人のコックに任せると、どんどん味が薄くなっていっちゃうんですって」(中略)彼らの舌に合わせていくと、病院食のようなマカロニスープに辿り着いてしまうのだろうか。
下川裕治著 週末香港・マカオでちょっとエキゾチック P114
これは下川さんの週末シリーズでは傑作だと思っている、香港・マカオを題材にした作品。そのなかでマカロニスープを取り上げたくだりである。
病院食と表現したマカロニスープを実際に口にすると、それは言い過ぎと感じたが、確かに味が薄くて微妙な感想になった。
それは炒飯を食べても、大好きな茄子の中華料理を食べても、やはり微妙な感想になった。唯一美味しいと感じたワンタン麺も、香港在住の友人に味の素だからと言われる始末。
その後香港には何度か滞在したが、未だ食事に関しては、気持ちが晴れない旅が続いている。
そこで我が家で営むAirbnbの香港人ゲストに、おすすめの飲食店を聞いてみた。そして実際にその飲食店へ足を運ぶ。それが今回の旅の目的になった。
現地のことは現地の人に聞く。それは今まで現地に行ってからしていた行為だが、我が家で聞けるのは、Airbnbの特権である。まさに旅に囲まれた生活。渡航前の憂鬱な気持ちが少しだけ晴れた瞬間だった。
そして、いざ香港の食に触れる旅になった。それは東京で普段食べる量を、とっくに超えていた。
6月の香港は暑い。朝晩でも25℃前後だ。当然冷たいドリンクもたくさん口にする。その結果、突然尿意が襲ってくる。
「食」の予告
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