パッタイはタイの料理と言うよりも、カオサン通りの料理と言ったほうがしっくりくる話し
2015.03某日(7日目)
タイに行ったことがない日本人にタイの食事といえば?と聞くと、トムヤムクン、ガパオ、カレーなど定番メニューが並ぶが、それと同じくらい口から出るのがパッタイだ。パッタイとは椰子からとれるパームシュガーやナンプラーで味付けしたタイ風焼きそば。「パッ」とは炒めるという意味があるらしい。
パッタイのイメージ
◇2013年、カオサン通りの屋台で初めて食べたパッタイ。今見ると彩りが悪い
僕はこのブログで何度かタイのヌードルは取り上げてきたが、パッタイについては一度も取り上げたことがなかった。実は初めてタイに来たときに、夜のカオサン通りの屋台でパッタイを買ったが、あまりの不味さに二口ほど食べて捨ててしまったのだ。
それ以来パッタイを口にすることはなかったのだが、不味かったからという理由だけで避けていたわけではなかった。
カオサン通りのパッタイ
カオサン通りを訪れた旅人のほとんどは必ず一度はパッタイを食べているのではないだろうか。それほどパッタイの屋台は乱立しており、目を瞑ってでも、犬が歩いてもパッタイ屋台にあたるのではと思うほどだ。
しかしカオサン通りを一歩外に出ると、パッタイの屋台を見かけないのだ。いや、見かけない気がするのか。例えばシーロムあたりの屋台を見ていてもカオマンガイの屋台は見かけるが、パッタイの屋台は見かけない。料理店に入っても周りでパッタイを食べている人は今まで見かけたことがない。もっとも僕はビールをかっ喰らって海老やパパイヤなどの料理に目がいってしまい、そもそもパッタイに目がいっていないのが、あの日以来口にしていない原因なのか。
それで何が言いたいかというと、「タイ=パッタイ」という図式に疑問が湧いているということだ。どうも僕のなかではタイという一国を代表する料理のひとつのイメージではなく、「カオサン通りを代表する料理のひとつ=パッタイ」という図式の方がしっくりくるのだ。
そのくらいカオサン通りの屋台といえばパッタイが僕には染み付いている。染み付いているという割には一度しか食べていないカオサン通りのパッタイを、せっかく来たので食べてみることにした。
麺の種類
選んだ屋台の麺の種類は4種類あり、センレック(細麺)、センヤイ(太麺)、センミー(極細)、バミー(中華麺)という具合。僕はセンレックで卵のトッピングはしない、いわゆる「ノーエッグ」を注文した。店員はタイ独特の調味料で味付けをしながら手際よく調理をしていく。完成の品が出来上がるまで調理する姿を見学できるのが屋台の醍醐味だ。
◇丸い鉄板が特長的なパッタイ屋台
パッタイ実食
完成したパッタイは白い紙製の容器に盛られた。料金は25バーツ。パッタイはパームシュガーやナンプラーで味付けされているため甘酸っぱい。そこに自分好みの辛いスパイスをかけて食べる。
久しぶりに食べるパッタイの味は予想外に「結構美味いじゃん!」の一言。シャキシャキもやしの食感と風味が良い干し海老が味をより引き立て不味いわけがないか。初めて食べたパッタイは一体何だったのか。食用油ではなく、ガソリンでも使っていたのではと疑うほどの不味さだったんだけど……。
スプリングロール
ところでパッタイ屋台で必ず見かけるスプリングロール。いわゆる揚げ春巻きは一体何なんだろう。日本で焼きそばを食べるとき、もう一品といえば揚げ物よりは白米の方が口にあう気がする。では、ここタイで言えばカオニャオ(餅米)の方が口にあう気がするが、そうはならないのがパッタイ屋台なのだ。
WEBなどで調べてみると、パッタイは戦後国王が国民に紹介したのが歴史らしいのだが、パッタイと一緒に売られる揚げ春巻きの歴史がよく分からないのである。そんなキツネ色の揚げ春巻きを眺めていたら、ふと思ったことがある。東京の立ち食い蕎麦屋で必ずあるのがおいなりさんだ。東京の麺つゆは見た目も濃いが味も濃い。そこに甘酸っぱいおいなりさんは口に合わなそうなのだがなぜか注文してしまう。パッタイと揚げ春巻きの関係は「なぜか注文してしまう」不思議な組み合わせということで自己完結し、カオサン通りを後にした。
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